1976年の洋楽ロック 名盤10枚

『幻想飛行』ボストン

Boston [Analog]
BOSTON 幻想飛行 Analog

BOSTON
TOM SCHOLZ – lead & rythm guitars, base, organ, clavinet & percussion
BRAD DELP – vocals & guitars
BARRY GOUDREAU – lead & rythm guitars
SIB HASHIAN – drums & percussion
FRAN SHEEHAN – bass

BOSTON
1. MORE THAN A FEELING
2. PEACE OF MINDE
3. FOREPLAY / LONG TIME
4. ROCK & ROLL BAND
5. SMOKIN’
6. HITCH A RIDE
7. SOMETHING ABOUT YOU
8. LET ME TAKE YOU HOME TONIGHT

※Spotifyプレイヤーの再生ボタンを押すと試聴できます(ログインしていない場合は30秒のプレビューとなります)。音量はお使いの端末で調整してください


爆発する惑星から飛び出してくる、都市を載せたギター型の巨大宇宙船を描いたジャケットは最近のCGを見慣れた眼から見るとさすがにちょっと古臭く思えますが、どこまでも伸びてゆく高音のボーカルとギターが心地良いこのアルバムの内容にぴったりです。

この宇宙船は何年かに一度どこかの惑星に着陸してはまた飛び立つということを繰り返して、いまだに宇宙を飛び続けています。トム・ショルツが安住の地をもとめて自らの音楽世界に満足いくまで彷徨うのでしょうか、世紀を越えて発売された最新作『コーポレイト・アメリカ』では女性クルーを加えたものの、大きく変わろうとしない頑固さには恐れ入ります。

当時西海岸で活躍していたイーグルスやドゥービー・ブラザーズに対抗するように東海岸に颯爽と登場したボストンのファースト・アルバムは気持ちの良い名曲の数々にハイトーンのボーカルとコーラス、美しいギターの音色が見事にマッチして、大ヒットを記録しました。

「モア・ダン・ア・フィーリング」や「フォアプレイ / ロング・タイム」を初めて聴いたときは感動しましたが、楽しみにしていた次作『ドント・ルック・バック』も更に同じ路線を突き詰めるという姿勢は変わらず、安心するやらちょっと拍子抜けするやら。

それでもボストンが好きなのは何十年経った今でも変わりません。ヒゲ面のブラッド・デルプから飛び出してくる美声と、ひたすら理想の音を追求するトム・ショルツの職人技で、曲自体はシンプルでも聴き手を酔わせてくれる。 ボストンの『幻想飛行』は、そんな名盤です。

Boston – More Than a Feeling (Official HD Video)

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『SILK DEGREES』BOZ SCAGGS

Silk Degrees - Limited 180-Gram Translucent Green Colored Vinyl [Analog]
Bozz Scaggs Silk Degrees – Limited 180-Gram Translucent Green Colored Vinyl [Analog]

ジェフ・ポーカロのドラムとボズのボーカルがカッコいい「ロウダウン」、粋なバラード「ハーバーライツ」、雰囲気満点のヒット曲「ウィー・アー・オール・アローン」など、ミスターAOR ボズ・スキャッグスの出世作です。ジャケットも中身もお洒落なこのアルバムを聴くと、ロック好きの学生がちょっと大人になったような気がしました。

レコーディングに参加したキーボードのデヴィッド・ペイチ、ドラムのジェフ・ポーカロ、ベースのデヴィッド・ハンゲイトは、後にTOTOを結成。他にもトランペットのチャック・フィンドレー、サックスのトム・スコット、レッキング・クルーの一員だったマルチ・リード奏者のジム・ホーンやギターのルイ・シェルトンなど一流ミュージシャンが参加しています。

※レッキング・クルー (The Wrecking Crew) は、1960年代から70年代にかけてロサンゼルスを拠点に活動した伝説的なスタジオ・ミュージシャン集団です。ドラムのハル・ブレインやギターのトミー・テデスコ、シンガー・ソングライターでもあるレオン・ラッセルなどが多くの名盤のレコーディングに携わりました。

『ROCKS』AEROSMITH

Rocks [Analog]
Aerosmith Rocks [Analog]

ストレートなタイトルからして自信満々です。1曲目の緊張感溢れる「バック・イン・ザ・サドル」の尋常じゃないカッコ良さ。フロントマン、スティーブン・タイラーのボーカルなくして成立しない曲だと思います。やっぱりロックバンドには強力なボーカリストが必要ですね。

2曲目の「ラスト・チャイルド」はちょっと毛色が変わっていて、出だしは「ドリーム・オン」のような曲かなと思ったら、前作からヒットした「ウォーク・ディス・ウェイ」を彷彿とさせる意外な展開を見せてくれます。単純なアメリカンロックではないエアロスミスの特徴が出た曲だと思いますね。アルバムは全米Billboard 200で最高3位を記録しました。

『WIRED』JEFF BECK

『WIRED』JEFF BECK
Jeff Beck Wired CD

『ブロウ・バイ・ブロウ』に続くロック・インストゥルメンタル第2弾。このジャケットを見ただけで痺れますが、中身を聴くと更に痺れます。ジェフ・ベックが自由自在、縦横無尽に弾きまくるスリリングなギターが圧巻。ヤン・ハマーやナラダ・マイケル・ウォルデンとの共演で、当時で言うクロスオーバー寄りのサウンドになってきました。

チャールズ・ミンガスの「グッドバイ・ポーク・パイ・ハット」のカバーでは、オリジナルのテナーサックスの演奏をギターの多彩な音で表現、「蒼き風(Blue Wind)」ではヤン・ハマー(シンセサイザーとドラム)とのスリリングな掛け合いが聴きどころです。ジェフ・ベックにしか出せない独特なトーンがアルバムを通して楽しめる名盤。

『Frampton Comes Alive!』PETER FRAMPTON

Peter Frampton Comes Alive (Ogv) [Analog]
Peter Frampton Comes Alive! [Analog]

ハンブル・パイからソロになったピーター・フランプトンの2枚組ライブアルバム。12弦ギターとトーキング・モジュレーターが印象的な「ショウ・ミー・ザ・ウェイ」が大好きです。この甘いマスクと少しハスキーな声がいいですね。ライブ盤としては異例の大ヒットで彼の代表作となりました。トレードマークのレス・ポール・カスタム、愛称 “Phoenix”もカッコいいです。

アルバムはビルボード200で通算10週にわたり1位を獲得。しかし続く『アイム・イン・ユー』がソフトでポップな内容だっこと、そして雑誌ローリングストーン誌の表紙になった上半身裸の写真のせいで硬派なロックファンが離れていってしまったそうです。元々ギタリストとして評価の高かったピーター・フランプトンが完全に復活を遂げたのは2007年、インストゥルメンタル・アルバム『フィンガープリンツ』のグラミー賞受賞でした。

『Hotel California』EAGLES

ホテル・カリフォルニア:40周年記念エディション
Eagles Hotel California 40th Anniversary Edition CD

ロックの時代に陰りが見えた頃に登場した哀愁漂うイーグルスの代表作。「ホテル・カリフォルニア」のイントロが流れてきただけでジ~ンとなります。他にも「ニュー・キッド・イン・タウン」「ウェイステッド・タイム」など名曲揃い。ドン・ヘンリーとグレン・フライというタイプの違う2枚看板のボーカル、綺麗なコーラスに個性の際立つジョー・ウォルシュも加わって言う事ありません。

夕暮れの中に佇むような味わいのあるホテルは、カリフォルニアのサンセット・ブールバードに位置するビバリーヒルズ・ホテル(The Beverly Hills Hotel:通称ピンク・パレス)。ホテル・カリフォルニアのブルーのロゴと共に鮮烈な印象を残します。アルバムはこれまでに全世界で推定4,200万枚以上の売上を記録しているそうです。

『PRESENCE』LED ZEPPELIN

Presence -Remast- [Analog]
Led Zeppelin Presence -Remast- [Analog]

いきなり怒涛の勢いで展開する「アキレス最後の戦い」は、10分を超える大作です。ジミー・ペイジが多重録音した印象的なギター、ジョン・ボーナムのヘヴィーなドラム、ジョン・ポール・ジョーンズのベキベキ鳴るベース、バックの演奏に乗って漂うようなロバート・プラントのボーカルなどすべてが素晴らしい。『プレゼンス』はこの曲に尽きます。

このアルバムはミュンヘンのミュージックランド・スタジオという、ホテルの地下にあるスタジオで録音されました。天井が低く残響が少ないスタジオで、エンジニアのキース・ハーウッドがタイトでソリッドな音を引き出したのだそうです。ボンゾのドラムのアタックの強い、ドライで分離の良い音を聴くことができるのは、スタジオの環境とエンジニアの手腕もあったということですね。

『DESTROYER』KISS

Destroyer (Resurrected) (Walmart Exclusive) [Analog]
Kiss Destroyer (Resurrected) (Walmart Exclusive) [Analog]

ロックショーなら地獄の軍団、この男たちの出番です。サービス精神満点なキッスの派手なパフォーマンスは、ロックキッズを熱狂させました。「デトロイト・ロック・シティ」などキャッチーでノリの良い、シンプルなロックンロールで突っ走るヒットアルバム。見た目だけではなく、しっかりと実力もあるバンドでした。(※画像の注釈について→アメリカのウォルマートで限定販売された、2012年のリミックスバージョン・レコードです)

『Destroyer(地獄の軍団)』は200万枚以上を売り上げて、キッス初のプラチナ・ディスクとなったヒット作です。アメコミ風のジャケットアートは『コナン・ザ・バーバリアン』などのムキムキ・コテコテのイラストで有名なケン・ケリーによるイラストで、地獄から地上に飛び出してきたキッスがこれから大暴れするぞ、というイメージがいいですね。

『Certified Live』DAVE MASON

CERTIFIED LIVE/LET IT FLOW
Dave Mason Certified Live / Let It Flow CD

デイヴ・メイソンの味のある温和な髭面と、味のある渋いボーカルが大好きです。『ライブ~情念』はソロ活動の集大成のような2枚組ライブアルバムで、オリジナルもカバーも名曲名演満載。「オンリー・ユー・ノウ・アンド・アイ・ノウ」「テイク・イット・トゥ・ザ・リミット」など、仲間と共に楽しそうな充実のライブを繰り広げます。(※画像について CERTIFIED LIVEとLET IT FLOW、2枚のアルバムをセットにしたリミックスバージョンCDです)

デイヴ・メイソンはスティーヴ・ウィンウッドらと共に結成したトラフィックを経て1970年に『アローン・トゥゲザー』でソロデビュー。『ライブ~情念』に収録された「フィーリン・オールライト」はトラフィック時代の名曲です。ギタリストとしても定評があり、ジミ・ヘンドリクスの「見晴らし塔からずっと」にはアコースティック・ギターで参加、このアルバムでもプレイしています。ちょっと地味なイメージがありますが、もっと多くの人に知ってほしいミュージシャンの一人です。

『Little Queen』HEART

リトル・クイーン
Heart Little Queen CD

美人姉妹がロックをやる、これが良いんです。アンの強力なボーカルとナンシーのギターが堪能出来るハートのセカンド・アルバム。カッコいいロックナンバー「バラクーダ」がヒットしましたが、彼女たちはアコースティックなナンバーも得意で、このアルバムでも随所でアコースティック・ギターの音を耳にすることが出来ます。

1995年にリリースされたアコースティック・ライブアルバム『ザ・ロードホーム』は、彼女たちが大ファンだったツェッペリンのジョン・ポール・ジョーンズがプロデューサーを務めています。「バラクーダ」を始めエルトン・ジョンやジョニ・ミッチェルのカバー曲もあり、ハートのルーツに触れることができるアルバムです。

1976年(昭和51年)の日本

主な出来事:アントニオ猪木とモハメド・アリの異種格闘技戦をテレビで観戦したのが76年。ロッキード事件で前総理の田中角栄が逮捕されるという前代未聞のニュースで、初めて新聞の号外を見たのも76年です。この年にはモントリオール五輪でルーマニアの女子体操選手、ナディア・コマネチが初の10点満点を記録。ソ連のミグ25戦闘機が函館空港に強行着陸してパイロットが米国へ亡命を求めるという衝撃的な事件もありました。

テレビ・映画:この年に放送が始まったのは、テレビ界のレジェンド黒柳徹子の「徹子の部屋」、高橋英樹の時代劇「桃太郎侍」など。映画ではマーティン・スコセッシとロバート・デ・ニーロの名コンビによる名作『タクシードライバー』、アル・パチーノとジョン・カザールが銀行に立てこもる『狼たちの午後』、角川映画の傑作『犬神家の一族』、水谷豊が殺人犯を演じる『青春の殺人者』などが公開されました。

ヒット曲:76年にリリースされた曲は荒井由実の「中央フリーウェイ」「翳りゆく部屋」、RCサクセションの「スローバラード」、風の「ささやかなこの人生」、キャンディーズの「春一番」、それから山口百恵の「横須賀ストーリー」など、記憶に残る名曲が一気に増えてきます。個人的には大学に入学して生活環境が大きく変わったことも、その一因だろうと思いますね。


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